おばちゃんたちが、ぺチャクチャ話をしながらチベット絨毯を編んでいる。

難民キャンプという言葉から感じるような暗さは感じられない。
女性達はあかるく、たくましい。
そして、男達の働く姿はどこにも見られない。
チベットは独立国だった。1950年中国が突然軍事侵攻して、国は滅んだ。
争いを好まない仏教徒のせいか、法王ダライラマがインドへ亡命したせいか、大きな流血もなく中国はその領土を手に入れてしまった。
その地は地下資源に恵まれているという。
ハインリヒ・ハラーというオーストリア人の登山家がいる。
彼の経験談「セブン・イヤーズ・イン・チベット」に占領化以前のチベットが、生き生きと描かれている。
中国が不快感を示す中でブラッド・ピット主演で映画化もされた。
チベット人は商売上手だ。それは、彼も本の中で何度も言っている。難民生活をしていても、それは同じだ。
ポカラの街で彼女らは行商している。
随分使い込んだバックに宝石と称するガラクタのたぐいを詰め込んでの行商だ。
片言の英語でブツブツ交換も彼女らの得意技だ。
街で彼女らに捕まった。
100円ライターやポケットティッシュが欲しいらしいが、持っていない。
「それなら日本のキャンデーないか?」
5、6個なら今持っているけど。
「それだけじゃあ少ないよ、何も交換できないよ。」と不満げ。
座り込んでの交渉も3分、5分と時間が経っていった。
もう面倒だ。
交換しなくてもいい、もうプレゼントするよ。私も不満気に答えた。
キャンデーをあげて立ち上がると、
「ちょっと待って、待って。」
慌てて、ずた袋の中から小さなブレスレッドを一つ差し出して来た。
「これじゃ損しちゃうけど、プレゼントね。」にっこり笑った。
たくましくも優しいおばちゃん達だ。
オールドバザール ポカラ、へ
